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東京で働きながら、地方にある親の実家や土地を相続することになったものの、活用する予定がない。そのような方々も想定し、国は相続土地国庫帰属制度を用意していますが、同制度は「いらない土地は何でも国が引き取ってくれる」というものではありません。当記事では、相続土地国庫帰属制度の概要や利用できる土地の条件、関連して同制度以外の処分法などについても解説しています。
相続土地国庫帰属制度は、一定の要件を満たすことで、相続や遺贈によって取得した土地を国に引き渡せる制度です。親の不動産を相続したものの、活用する予定がなく持て余している方にとっては、不動産を手放すための選択肢のひとつとなります。以下、制度の内容を理解したうえで、自分の土地が対象になるかどうかを確認していきましょう。
相続土地国庫帰属制度の利用対象は、相続または相続人への遺贈によって取得した土地になります。売買などによって自ら取得した土地は対象になりません。対象となる不動産は土地であることから、宅地だけではなく田畑、森林なども申請の対象となります。
ただし、建物が残ったままの土地については、そのままでは制度適用の申請ができません。そのため、まずは親の不動産が更地なのか、建物付きなのかを確認しておく必要があります。
相続土地国庫帰属制度を利用する際は、まず法務局へ相談し、その後申請書類を準備のうえ提出します。提出された申請書類は法務局が審査し、承認されれば申請者が負担金を納付することで土地が国庫へ帰属する、という流れになります。
土地の状況によっては、承認されないこともあります。また、申請自体が却下されることもあります。そのため同制度の申請の際には、あらかじめ承認条件や申請条件を確認しておくことが大切です。
相続土地国庫帰属制度を申請する際には、土地一筆当たり1万4,000円の審査手数料を納める必要があります。また、承認された場合は、通知を受けた日の翌日から30日以内に負担金を納付する必要があります。負担金とは、土地の性質に応じた標準的な管理費用をもとに算出されるお金です。
このように、相続土地国庫帰属制度は「申請すれば無料で国が土地を引き取ってくれる」という制度ではありません。土地を維持し続ける場合の管理費、または売却する場合の諸費用などとも比較しながら同制度を利用するかどうか、適切に判断する必要があります。
相続土地国庫帰属制度は、不要な親の不動産を相続した全ての人が使える制度ではありません。遠方住まいなどで管理や活用の難しい土地を相続した方などは、同制度の利用を検討してみても良いでしょう。以下、同制度を前向きに検討してみたい主なケースを3つほど見ていきます。
たとえば、東京に定住している方が地方にある親の不動産を相続した場合、管理のために定期的に現地へ足を運ぶことは容易ではありません。定期的な草刈りや設備の状況確認などのほか、台風や地震があれば不定期に現地を訪れる必要も出るでしょう。
これらの負担が重なった結果、不動産が負動産化していると感じはじめたならば、ひとつの選択肢として相続土地国庫帰属制度を検討する価値があります。
親から土地を相続しても自分は活用する予定がなく、また、他の相続人も同様に使う予定がない場合は、相続土地国庫帰属制度の利用を検討してみても良いでしょう。
特に、それぞれの相続人も遠方住まいで、「誰が親の不動産を管理するのか」が決まっていない状況の場合は、同制度の利用価値がさらに高まります。管理者が決まらず土地が放置され続けるリスクを避けるため、同制度の利用に限らず、早めに不動産を手放す方法を相続人同士で話し合ってみましょう。
立地や需要、土地の形状、接道状況、境界の有無、建物の老朽化などによって、売却や賃貸が難しい土地の場合も、相続土地国庫帰属制度の利用を検討する価値があります。
売却も賃貸も難しい不動産を持ち続けても、固定資産税や草刈りなどの負担が蓄積する一方です。資産に余裕があれば、思い出として不動産を持ち続けることも選択肢ですが、そうでない場合、早期に手放す方向で考えてみたほうが良いかもしれません。
相続土地国庫帰属制度を利用するには、対象となる土地が一定の要件を満たしている必要があります。申請の段階で却下される土地と審査を経て不承認となる土地があるため、それぞれのポイントを確認しながら、自分の土地が対象になり得るかどうかを確認していきましょう。
次のような土地に該当する場合、申請の段階で却下の対象となるため、そもそも審査に進むことができません。該当しているかどうか、事前に確認しておく必要があります。
参照元:相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00461.html)
申請段階の却下要件をクリアしても、法務局による審査を経て不承認となるケースがあります。次のような土地に該当する場合は、審査の過程で不承認と判断される可能性があるため、あわせて確認しておきましょう。
参照元:相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00461.html)
上述の通り、親の不動産に建物(空き家)が残ったままでは、相続土地国庫帰属制度を利用することができません。もし同制度を利用するならば、事前に建物を解体して更地にする必要があります。
しかしながら、解体には高額な費用がかかるため、必ずしも相続土地国庫帰属制度の利用が有利な結果につながるとは言いきれません。売却や賃貸など、他の選択肢と冷静に比較しておくことが重要です。
相続土地国庫帰属制度は選択肢のひとつですが、土地の状態や費用によっては、他の方法のほうが状況に合っている場合もあります。売却や活用、相続放棄なども含めて、それぞれの方法を比較してみましょう。
買い手が見つかる不動産であれば、売却して現金化する方法も有力な選択肢です。売却により不動産が現金化されれば、管理の負担から解放されるだけでなく、他の相続人同士で遺産を分け合いやすくなるメリットも生まれます。
ただし売却には測量や境界確認、場合によっては建物の解体などが必要になることもあります。不動産会社の仲介手数料も含め、売却にかかる費用や手間も踏まえて検討するようにしましょう。
立地や土地の状態によっては、賃貸に出したり駐車場や資材置き場として活用したりする方法も考えられます。
ただし、収益化のためには初期費用や継続的な管理の手間がかかることも多く、そもそも需要が見込めるかどうかも土地によって大きく異なります。想定される収支をあらかじめしっかり確認したうえで、慎重に検討することが重要です。
相続放棄は、不動産だけでなく預貯金や借金なども含めて「相続そのものをしない」という手続きです。「不動産だけ相続を放棄する」ということはできない点にご注意ください。
相続放棄の手続きは、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所で行う必要があります。相続放棄が成立すれば、原則としてこれを撤回することはできません。
制度の利用や売却といった他の方法ともあわせて、期限内にしっかりと比較しておくことが大切です。
親から相続した不要な不動産の処遇については、相続土地国庫帰属制度のみを基準に検討するのではなく、早い段階で専門家に相談しながら幅広い選択肢を比較検討することが大切です。
親が元気なうちであれば、不動産の名義確認や、売却、遺言の作成、家族信託の活用、納税資金の準備など、さまざまな選択肢を検討することができます。これらの検討や実行には、複雑な制度や手続きが絡むこととなるため、早い段階で専門家へ相談することが望まれます。
相続土地国庫帰属制度は、不要な土地を国に引き渡せる可能性がある制度ですが、誰でも必ず利用できるという制度ではありません。建物がある土地、境界が明らかでない土地などは、申請段階で却下されます。申請自体は受理されても、崖地や有体物がある土地などは不承認となることがあります。仮に承認されるに至ったとしても、審査手数料や負担金といった費用負担は避けられません。
相続土地国庫帰属制度だけでなく、売却や活用、相続放棄などの選択肢もフラットに比較検討したい方は、早めに専門家へ相談してみたほうがよいでしょう。
一般社団法人 全国幸せ相続計画ネットワークは、中立的な立場で相続を支援する専門コンサルティング団体です。
司法書士・税理士・弁護士のほか、金融・不動産など各分野の専門家が連携。ご家族三代の幸せを見据えたサポートを提供。
全国幸せ相続計画ネットワークが活用している相続計画プランニングシステム「SIPS®」は、特許を取得※しています。相続人の納得感と満足感を与えると評価されたものです。
※参照元:シナジープラス公式サイト(https://synergy-plus.group/information/特許取得のお知らせ-2/)
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