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親の不動産で知っておくべき生前対策

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ここでは親の不動産で知っておくべき生前対策についてお伝えします。親が認知症になった場合に活用できる成年後見制度をはじめ、不動産の名義変更、生前から財産管理を任せられる家族信託、不動産管理の具体的な方法について見ていきましょう。

両親から受け継ぐ不動産と「家じまい」

親の実家や収益物件は、遅かれ早かれ、いずれは「家じまい」の判断が求められます。家じまいでは、家財整理や売却・解体だけでなく、賃貸を続けるのか、誰が管理を担うのかまで考えて判断する必要があります。親と離れて暮らしている場合、修繕の判断の遅れや将来的な物件の空き家化の懸念もあるため、早めに家じまいの準備を進めておくことが大切です。

もし準備なしで相続を迎えれば、煩雑な手続きや費用負担、親族間の調整が一度に押し寄せることも少なくありません。事が煩雑になる前に、まずは家じまいに向けた考え方を親族間で話し合っておくことが大切です。

親の不動産相続と「家じまい」の考え方

親の不動産を放置するリスク

不動産は分割しにくく、すぐに現金化できない資産です。しかも所有している限り管理責任が続きます。何も対策せずに放置すれば、相続時に負担が一気に噴き出しかねません。

以下では、生前対策が欠かせない理由をまとめています。まずは現状把握から始めましょう。

相続税の期限が家計を圧迫しやすい

相続税は不動産を含む財産全体の評価額で計算されます。手元に現金が少ない家庭では、納税資金を準備するだけで大きな負担になります。

不動産を売却して資金を確保しようにも買い手が見つからないケースもあり、原則10か月以内という相続税の納付期限が家計を追い詰めます。収益不動産を相続した場合、相続直後の資金繰り悪化にも注意が必要です。

認知症が進むと売却も修繕も止まりやすい

不動産の売却や大規模な修繕には、名義人本人の意思確認が必要となりますが、認知症などで親の判断能力が落ちてしまうと、資産が事実上凍結されてしまいます。

不動産が収益物件の場合、設備の破損などでも親族は対応できず、家賃の管理や保険の更新も滞りかねません。成年後見制度を利用する手はありますが、手続きに時間がかかるうえ、自由に売却できないなどの制約もあります。

分け方の設計がないと親族間の調整が長引く

不動産は物理的に切り分けられないため、相続人全員が納得する分け方を見つけるのは簡単ではありません。

現物で分けるか、誰かが相続して他の人にお金を払うか、売却して現金で分けるか、これらの方針を決めないまま相続を迎えると、話し合いがなかなか進まなくなるおそれがあります。結果的に共有名義のまま放置されれば、些細な意見の食い違いが深刻な親族トラブルに発展するおそれもあります。

管理責任は相続後も続く

不動産の名義を引き継げば、固定資産税の支払いはもちろん、庭木の手入れや建物の修理、近所への対応などの管理業務も避けられません。特に遠くに住んでいる子世代にとって、これらの管理業務はかなりの負担になります。

放っておけば建物が傷んだり周囲の景観を損ねたりして、近隣住民から苦情が寄せられるおそれもあります。誰が管理するのか、費用は誰が負担するのかなど、あらかじめ親族間で管理に関連する様々な取り決めを行っておくことが必要です。

親の不動産の管理方法

親の不動産の生前対策方法5つ

節税と納税資金の確保、財産の分け方の設計、認知症による凍結リスクや管理負担への備え、親の不動産対策はこの3つの軸で考えると整理しやすくなります。それぞれの世帯の状況に合った方法を選べるよう、以下に代表的な対策をまとめました。

遺言書の作成

遺言書があれば、「誰が引き継ぐのか」「誰が住むのか」「売却してどう分けるのか」などの争点で揉めにくくなるので、トラブルの未然防止が期待できます。売却した場合の代償金の金額や売却の方針まで書いておけば、話し合いが迷走する心配も減らすことができます。加えて公正証書遺言にしておけば、専門家が関与するので形式ミスのリスクも防ぐことができます。親の認知症進行にも注意して、早めに遺言書の段取りを進めておくことが大切です。

遺言書の種類と争族にしない選び方・ポイント

生前贈与

親の生前に財産を少しずつ相続予定人へ移せば、トータルでの税負担を抑えることができます。

生前贈与における「暦年贈与」では、年間110万円まで非課税です。時間をかけて少しずつ移していけば、実際に相続が発生した際、相続税の圧縮効果が期待できます(定期贈与、名義預金とみなされるリスクに注意)。また相続時精算課税制度を利用すれば、累計2,500万円まで贈与税がかからないので(相続時には相続税が発生)、まとまった額を移したい場合には専門家に相談のうえ検討してみましょう。

なお、不動産の名義変更には登録免許税や不動産取得税などの各種の費用が発生します。各種税制のルールを含めて、トータルコストを確認して判断しましょう。

家族信託

家族信託とは、親の判断能力が低下した後も、不動産の管理や処分をスムーズに続けられる制度です。あらかじめ信託契約を結んでおけば、受託者(多くの場合は子ども)が賃貸管理や修繕、売却などの手続きを代わりに行うことができます。

また、受益者を順番に指定しておくことで、「親が亡くなったら配偶者へ、その次は子どもへ」というように、複数世代にわたる財産の承継方法を事前に決めておくことも可能です。遺言書だけではカバーしきれない部分を補うことができます。

認知症などで資産が凍結されてしまうリスクを避けたいご家庭に適した制度です。

親の不動産と家族信託の仕組み

生命保険の活用

生命保険は、相続税の支払いや代償金を準備する手段として活用しやすい有効な選択肢です。死亡保険金は受取人が直接保険会社に請求できる財産なので、遺産分割協議が終わる前でも現金化することができます。相続人が死亡保険金を受け取る場合は「500万円×法定相続人の数」まで非課税となり、税負担を軽減する効果も期待できます。

ただし、相続人以外(例えば孫や親族以外の第三者)が保険金を受け取る場合、この非課税枠は適用されません。誰を受取人に設定するか、契約形態によって税金の扱いが大きく変わるので、慎重に検討する必要があります。

不動産の買い替え・等価交換

不動産の買い替えや等価交換は、資産の形を変えることで相続税の評価額を調整したい場合に有効な手段です。

例えば、地方にある広い土地は相続税評価額が高くなる傾向がありますが、実際に売却しようとしても買い手がなかなか見つからないケースがあります。このような場合、土地を一旦売却し、都心部の賃貸マンションなど管理しやすい収益物件に買い替えるという方法があります。相続人間での共有状態を解消しやすくなり、管理の負担も分散できるようになる方法です。

しかし、不動産市場の変動リスクや、売却・取得に伴う税務手続きが大きく影響するため、専門家を交えて事前にしっかりとシミュレーションを行うことが重要です。

【要注意】親の不動産を生前贈与する際のメリットとデメリット

メリット

不動産を生前に贈与しておけば、将来値上がりが見込まれる物件の価値上昇分を子世代に移すことができます。賃貸物件の場合は、贈与後の家賃収入が子どもの収入となるため、親の所得を抑えたいときにも効果的です。

また、相続を待たずに名義変更ができるので、管理の責任者を早い段階で明確することができます。親子で役割分担がしやすくなれば、修繕や入居者対応などもスムーズに進めやすくなるでしょう。持分を毎年少しずつ贈与していけば、贈与税の基礎控除(年110万円)を活用しながら、時間をかけて財産を移転することもできます。

デメリット

不動産を生前贈与すると、相続に比べて税金や手数料が高額になりやすいケースがあります。名義変更時の登録免許税は、相続なら固定資産税評価額の0.4%ですが、贈与の場合は2.0%。加えて不動産取得税も発生する可能性があります。

また、相続時に利用できる小規模宅地等の特例が適用されなくなるため、かえって相続税の負担が増えてしまうケースもあります。持分のみを贈与すれば親族での共有状態が続き、将来的に管理や売却の際に意見がまとまりにくくなるおそれもあります。贈与税も含めて、総合的な視点から比較検討することが重要です。

親の不動産を「家族信託」で凍結を防ぐ

家族信託を利用して親が元気なうちに契約を結び、不動産の管理や処分の権限を受託者(多くの場合は子ども)に託し、将来の認知症等による資産凍結を防ぐことができます。判断能力が低下してから裁判所が関与して開始される成年後見制度とは異なり、家族信託は事前の契約によって柔軟な財産管理をおこなうことができる制度です。

家族信託は「施設へ入る」ことを検討している人向け

現在は自宅で暮らしていて、将来的には介護施設などへの入所を考えている家庭には、家族信託が特に適しています。例えば、施設入所のタイミングで自宅を売却したり賃貸に出したりする必要が生じた場合でも、受託者である子どもが信託契約に基づいて手続きを進めることができます。建物の定期点検や修繕、賃貸契約の更新、火災保険の名義変更などの実務的な対応も、受託者の権限で速やかに処理できます。

親は受益者として家賃収入や売却代金などの収益を受け取り、子どもが実務を担当するという役割分担を明確にできるため、現実的な財産管理の形の一つでしょう。

家族信託を検討すべきタイムリミット

家族信託は契約によって成り立つ仕組みなので、親が契約内容を理解し、自分の意思で同意できる段階でなければ組むことができません。判断能力が低下してからでは契約自体が困難になり、仮に契約できたとしても後から有効性を疑われるリスクがあるので注意してください。

タイムリミットは「認知症の診断が出る前」ではなく、「日常的な意思決定がしっかりできているうち」と考えるべきです。少しでも不安を感じたら、信託の目的、受託者の権限範囲、不動産を売却する際の条件、財産を承継する順番などを書面で明確にしておくことをお勧めします。

もし家族信託の契約が間に合わなかった場合は、成年後見制度を利用する選択肢もあります。ただし、成年後見制度の場合、自宅を売却するには家庭裁判所の許可が必要になるなど、様々な制約が伴う点に注意が必要です。

すでに判断能力が低下していたら「成年後見制度」

家族信託や遺言書の作成は、本人がしっかりと意思決定できる状態でなければ行えません。もし親の判断能力がすでに低下している場合は、成年後見制度を活用して財産と生活を守る必要があります。状況が悪化する前に、できるだけ早く成年後見制度の手続きの準備を始めましょう。

成年後見人の役割

成年後見人とは、家庭裁判所によって選ばれる本人の代理人です。主な仕事は、本人に代わって財産を管理し、生活に必要な契約を結ぶことです。

具体的には、預貯金や不動産の管理、介護サービス費用や税金の支払い、施設入所契約の締結、不要な契約の解約などの業務を行います。必ずしも家族が後見人になるとは限らず、状況に応じて弁護士や司法書士などの専門家が選ばれることもあります。

後見人の活動は家庭裁判所が監督するので、本人の意向や生活実態に配慮しながら、適切な範囲で支援します。申立て自体は親族が行うケースが多く、後見人が決まることで家族の負担が軽くなります。

成年後見人のデメリット

成年後見制度は本人を守る仕組みですが、いくつか使いにくい面があることも知っておく必要があります。

まず、財産の処分には厳しい制限がかかります。自宅を売る、不動産を担保に入れる、賃貸契約を結ぶ・解除する、建物を解体するなどの重要な行為は、すべて家庭裁判所の許可が必要です。許可を得ずに行った取引は無効となってしまいます。

また、後見人には家族ではなく専門家が選ばれるケースも少なくありません。その場合、本人の財産から継続的に報酬を支払うことになります。報酬額は管理する財産の額によって変わりますが、長期間にわたって負担が続く点は考慮しておくべきでしょう。

なお、一度この制度を利用すると、基本的には途中で終了することができません。本人の判断能力が完全に回復したと医学的に認められるなどの、極めて限定的な条件を満たさない限り、制度は継続します。

親の不動産の生前対策Tips

親の不動産の名義変更方法

不動産の名義変更手続きは、相続・贈与・売買で大きく変わります。

相続による名義変更の場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書などを準備し、不動産の所在地を管轄する法務局に相続登記を申請します。2024年4月からは、相続を知った日から原則3年以内の登記申請が義務化されたため、放置するとペナルティの対象になる可能性があるので注意しましょう。

手続きに必要な書類、登録免許税、司法書士への報酬など、事前にコストも含めて確認しておくと安心です。

親の不動産の名義変更方法

親の不動産は「今のうち」に道筋を固める

親が所有する不動産は、相続税の納税資金、認知症による資産凍結、相続人間での分割トラブル、物件の維持管理負担などの問題が一度に押し寄せやすい少し厄介な財産です。

遺言書の作成、生前贈与の活用、家族信託の設定、生命保険での資金準備、不要な物件の整理売却など、複数の対策を組み合わせながら、早い段階で家族全員と方針を共有しておくようにしましょう。事前に道筋を固めておけば、いざというときの手続きもスムーズに進められるので、家族の負担を大きく減らすことができます。

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