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東京で働きながら、遠方に住む親から古家付き土地を相続することになり、「何から手を付ければよいか分からない…」と困惑している方もいるでしょう。
当記事では、古家付き土地の評価方法、解体すべきかどうかの判断基準、売却や相続放棄などの対処法について、順を追って解説します。
古家付き土地を相続した際、建物と土地を一体のものとして考えてしまいがちですが、実際には、それぞれの価値や権利関係を分けて確認する必要があります。
相続後に慌てて解体や売却を決める前に、まずは基本的な考え方を押さえておきましょう。
売却時の査定では、建物の老朽化が進み、経済的な価値がほとんど認められない場合、建物の価値を見込まず、土地の価値を中心に価格が検討されることがあります。
一方、建物の状態によっては、一定の価値がある中古住宅として扱われることもあります。どちらとして扱われるかによって、想定される売却価格や購入を検討する買主の層が変わるため、まずは相続した建物の状態や市場価値を確認することが大切です。
なお、相続税を計算する際は、売却査定とは異なる方法で土地と建物をそれぞれ評価します。
古家付き土地を相続した際は、土地と建物の登記名義が誰になっているか、共有者がいないか、抵当権などの担保権が設定されていないかを確認しておく必要があります。
土地については、境界標や測量図の有無、隣地所有者との間に境界の争いがないかも確認しましょう。
これらの確認を後回しにすると、売却や相続土地国庫帰属制度の利用を検討する段階になってから、手続きが滞ることがあります。早い段階で登記事項証明書や公図、測量図などを確認しておくことが大切です。
正味の遺産額が相続税の基礎控除額を超える場合は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告と納税をする必要があります。
また、2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。相続によって不動産を取得した相続人は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
相続放棄をする場合は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
各種書類の収集や財産の調査にも時間がかかるため、それぞれの手続きの期限を把握したうえで、早めに動くことが大切です。
参照元:相続税の申告手続|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/2223-01.htm
参照元:相続登記の申請義務化について|法務省
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
参照元:相続の放棄の申述|裁判所
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
古家を残すか、更地にするかは、物件の状況によって適した判断が異なります。
管理の負担、売却のしやすさ、解体費用、税負担などを比較しながら、どちらが自分の状況に合うか考えていきましょう。
古家を残したまま売却や活用を検討する場合、建物の解体費用はかかりません。
また、その土地が住宅用地として認められる場合は、固定資産税の住宅用地特例が適用されます。目先の支出を抑えたい方にとっては、古家を残すことも選択肢の一つです。
一方で、庭木や雑草の繁茂、建物の老朽化、害虫や害獣の発生、近隣からの苦情など、さまざまな管理負担が続く可能性があります。
定期的な見回りや修繕を行わずに放置すると、管理不全空家等として、自治体による指導や勧告の対象となることがあります。
管理不全空家等または特定空家等として勧告を受けた土地は、固定資産税の住宅用地特例を受けられなくなる可能性があります。
遠方に住んでいる場合でも、建物や敷地の状態を定期的に確認し、適切な管理を続けることが必要です。
参照元:空家法とは|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/articles/2024020105.html
古家を解体して更地にすると、買主が土地の広さや形状、利用方法を確認しやすくなります。
建物の状態や解体費用を考慮する必要がなくなるため、物件の条件や地域の需要によっては、購入を検討する買主の範囲が広がる可能性があります。また、買主が購入後の建築計画や土地活用の計画を立てやすくなる点もメリットです。
一方、解体する際には、建物の解体や廃材の処分、必要に応じた整地などにまとまった費用がかかります。アスベストの有無や建物の構造、接道状況などによっては、解体費用が高額になることもあります。
また、建物を解体すると、原則として、その後は固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなります。売却までに時間がかかる場合は、その間の税負担が増える可能性がある点にも注意が必要です。
固定資産税は、原則として毎年1月1日時点の土地や建物の状況を基準に課税されるため、解体時期については市区町村や税理士などに確認しましょう。
参照元:空家法とは|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/articles/2024020105.html
古家付きのまま売却するか、解体して更地にするかは、立地、接道状況、建物の老朽化の程度、再建築の可否、解体費用、周辺エリアの需要などを総合的に踏まえて判断する必要があります。
たとえば、建物に利用価値がある場合は、古家付きのまま売却した方が買主を見つけやすいことがあります。一方、建物の劣化が著しく、買主が解体費用を負担しなければならない場合は、更地にした方が売却しやすくなる可能性があります。
ただし、再建築できない土地や需要が低い土地では、解体しても売却しやすくなるとは限りません。
どちらが適しているかは土地ごとの条件によって異なるため、自己判断だけで結論を出さず、まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの回答や査定の根拠を比較したうえで検討しましょう。
| 項目 | 古家付きのまま売却 | 解体して更地で売却 |
|---|---|---|
| 解体費用 | 原則として売主の解体費用は不要 | 売主が解体する場合は費用負担あり |
| 固定資産税の住宅用地特例 | 住宅用地として認められる場合は適用 | 建物の解体後は原則として適用されない |
| 買主の検討しやすさ | 建物の状態や利用価値によって異なる | 土地の形状や利用方法を確認しやすいが、需要や再建築の可否によって異なる |
| 建物に関する契約不適合責任 | 契約条件や免責特約の内容によって異なる | 建物は対象外。ただし、地中埋設物や地中汚染・土質(地盤沈下リスク)など、土地に関する契約不適合責任が生じる場合がある |
相続した古家付き土地を手放したい場合は、古家付きのまま売却する、解体してから売却する、相続放棄や相続土地国庫帰属制度を検討するなど、複数の選択肢があります。
土地や建物の状態、相続財産の内容などに応じて、どの方法が適しているか確認しましょう。
古家付きのまま売却する場合は、売主があらかじめ解体費用を負担せずに済みます。
一方、建物の劣化が進んでいる場合は、買主が購入後の解体費用や改修費用を考慮するため、価格交渉が行われる可能性があります。また、建物の状態や地域の需要によっては、売却までに時間がかかることもあります。
少しでも早く手放したい場合や、仲介による売却が難しい場合は、不動産会社による買取も選択肢に含めて検討するとよいでしょう。
ただし、一般的に、不動産会社による買取価格は、仲介によって個人の買主へ売却する場合より低くなる傾向があります。査定価格だけでなく、売却までの期間や契約条件も比較しましょう。
解体して更地にしてから売却すると、買主が土地の形状や状態を確認しやすくなり、購入後の建築計画や活用方法を検討しやすくなります。
物件の条件や地域の需要によっては、古家付きの状態よりも買主の検討対象が広がる可能性があります。
一方、解体費用や廃材処分費、必要に応じた整地費用がかかります。また、建物を解体すると、原則として固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなるため、売却が長引いた場合は税負担が増える可能性があります。
見込まれる売却価格と解体にかかる費用、解体後の税負担を比較したうえで判断しましょう。
相続財産に多額の借金が含まれている場合や、管理が難しい土地を相続する可能性がある場合は、相続放棄を検討することもあります。
ただし、相続放棄では、不動産だけを選んで放棄することはできません。相続放棄をすると、被相続人の預貯金や不動産などの権利だけでなく、借金などの義務も原則として一切受け継がないことになります。
また、相続放棄は原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
期間内に相続財産を調査しても判断できない場合は、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられることがあります。
相続した土地を手放したい場合は、相続土地国庫帰属制度を検討する方法もあります。ただし、次のような土地は、制度の申請をすることができません。
これらの却下要件に該当しない場合でも、崖や地中埋設物などがあり、通常の管理や処分に過分な費用または労力がかかる土地は、審査の結果、不承認となることがあります。
古家が残っている土地は、建物を解体しなければ相続土地国庫帰属制度を申請できません。
解体費用、審査手数料、承認後に納付する負担金なども考慮し、売却などの他の方法と比較しましょう。
参照元:相続の承認又は放棄の期間の伸長|裁判所
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_25/index.html
参照元:相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00461.html
古家付き土地を相続する際には、相続手続きに加え、不動産の売却、税金、建物を解体するかどうかなど、複数の判断が必要になります。
期限が設けられている手続きもあるため、相続人だけで抱え込まず、早めに専門家へ相談しましょう。
古家付き土地を相続する際は、被相続人の意向、相続人それぞれの希望、管理費や解体費用の負担、売却と保有の判断について、相続人同士で十分に話し合うことが大切です。
結論を先延ばしにしたまま共有名義にすると、将来、不動産全体を売却する際に共有者全員の同意が必要となり、調整に時間がかかる可能性があります。
また、共有者が亡くなって次の相続が発生すると、共有者の人数が増え、権利関係がさらに複雑になることもあります。
共有名義にする場合は、誰が管理するのか、費用をどのように負担するのか、将来売却する場合にどのように判断するのかについても話し合っておきましょう。
古家付き土地の相続では、相続手続き、不動産の査定、建物を解体するかどうかの判断、相続税や固定資産税、相続人同士の調整など、検討すべき事項が多岐にわたります。
それぞれを別々の窓口へ相談すると、同じ情報を何度も説明する必要が生じるなど、手続きが煩雑になることがあります。そのため、相続や不動産に関する相談内容を整理し、必要な専門家と連携できる窓口を利用することも一つの方法です。
全国幸せ相続計画ネットワークでは、税理士、司法書士、弁護士、行政書士、不動産、金融などの各分野の専門家が連携しています。
複雑な古家付き土地の相続についても、相談内容を整理し、売却、保有、相続手続きなどの選択肢を検討するための支援を受けられます。
なお、税務、法律、登記などの具体的な業務は、それぞれの資格を有する専門家が担当します。
参照元:全国幸せ相続計画ネットワーク
https://souzoku-keikaku.org/
古家付き土地を相続した場合、そのまま残す、解体する、売却する、相続放棄や相続土地国庫帰属制度を検討するなど、複数の選択肢があります。
どの方法が適しているかは、土地や建物の状態、再建築の可否、地域の需要、相続財産の内容、相続人の状況によって異なります。
判断を先送りにしたまま放置すると、管理費用がかさんだり、建物の老朽化が進んだり、相続人の間で意見の食い違いが生じたりする可能性があります。
古家付き土地は、解体する前に、古家付きのまま売却する場合と更地にして売却する場合の両方について査定を受けることが重要です。
相続・不動産・税金に関する相談内容をまとめて整理したい方は、全国幸せ相続計画ネットワークへの相談も選択肢の一つとして検討してみてください。
一般社団法人 全国幸せ相続計画ネットワークは、中立的な立場で相続を支援する専門コンサルティング団体です。
司法書士・税理士・弁護士のほか、金融・不動産など各分野の専門家が連携。ご家族三代の幸せを見据えたサポートを提供。
全国幸せ相続計画ネットワークが活用している相続計画プランニングシステム「SIPS®」は、特許を取得※しています。相続人の納得感と満足感を与えると評価されたものです。
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