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両親から受け継いだ収益物件と「家じまい」の考え方

     

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近年、親が所有していた収益物件を相続するケースが増加していますが、相続が発生したその瞬間から、あなたは賃貸経営を担う「経営者」となり、家賃管理や建物の修繕、さらには入居者への契約対応といった重い責任を負わなければなりません。

受け継いだ物件の経営をこのまま継続するのか、あるいは整理して「家じまい」を決断するのか。判断の迷いを避けてスムーズに対応するためには、親が健在なうちに現実的な出口戦略(手放し方や活用方針)を共有しておくことが重要です。

家じまいとは何か

一般的に言われる「家じまい」とは、自分や家族が住んでいた家を片付け、資産や荷物を整理(場合によっては遺品整理)した上で、最終的に売却や解体、譲渡などを行うことを指します。この家じまいには、維持管理負担を防ぐ目的のほか、空き家の発生を防ぐ目的もあります。

対して収益物件では、相続した人が物件の管理責任を負うことになります。そして家じまいを行うにあたっては入居者への対応など、単なる家財や遺品の整理だけではなくさまざまな対応が必要となる点が特徴といえます。

いずれの場合でも家じまいを怠ると、固定資産税の負担や空室リスク、管理が行き届かないことによる近隣とのトラブルの発生などさまざまなリスクが考えられます。使用していない家がある人は、早めに対策を考えることが必要です。

まず確認すべきことは?

まずは相続登記(2024年4月から義務化)について正しく理解したうえで、その申請期限を確認しましょう。相続人が複数いる場合には、持分などに関して事前に意思を統一させておきます。

また、入居中か空室か、建物や設備の状況はどうか、将来の家賃水準は上がる見込みか、などの物件状態を客観的に把握し、賃貸経営の継続や売却などの対応を検討します。

あわせて、賃貸借契約書の保管場所や預かり敷金の総額、管理会社との契約内容、過去の大規模修繕や修繕費の支払い記録など、親にしか分からない情報の精査も欠かせません。仮に売却する場合、これらの資料が不足していると買主への説明や引き継ぎに支障をきたすうえ、共有解消の手続きが滞る要因になりかねないので注意してください。

ほかにも、固定資産税の課税明細、ローン残高、火災保険の内容、さらには家賃の滞納状況なども確認しておきましょう。

家じまいの代表的な方法

家じまいの主な手法には、現状のままの売却する方法、建物を解体して更地として売却する方法、リノベーションで価値を高めてから売却する方法があります。いずれの手法を選択するのであれ、もし家が共有名義となっていた場合、名義人全員の同意を得るのが先になります。

家じまいを円滑に進めるためには、相続が発生してから検討するのではなく、むしろ親が健在なうちに親子で一緒に出口戦略を加味した分け方を決める姿勢が大切です。

売却

該当の収益物件を、そのままオーナーチェンジで売却する方法です。この方法は、すでに入居者がいる状態で売買が行われます。通常の不動産売買では、一般的には物件を空室にしてから売却を行いますが、オーナーチェンジの場合には入居者がいる状態のままで新たなオーナーに引き継がれます。

この方法では、入居者との賃貸借契約も新しいオーナーに引き継がれますので、家賃収入や敷金、保証金といった権利義務が移ります。新たなオーナーにとっては、物件を取得した後すぐに収入を得られるメリットがあります。

解体・更地売却

建物や設備の状況を確認した結果老朽化が進んでいる、そのままの建物では今後の活用が難しい、と判断される場合には、建物を解体し、更地にして売却を行うという方法が取られることがあります。

古い建物がある状態よりも買い手が見つかりやすい、土地の状態を確認しやすいなどのメリットはあるものの、解体費用などが発生する点や、解体工事を行うにあたって近隣との調整が必要となる点に注意が必要です。

リノベーション後に売却・活用

建物の資産価値を高めてから売却や活用したいと考えている場合には、リノベーションを行う方法が考えられます。建物の築年数が経過している場合でも、リノベーションによって建物の性能を向上させることが可能になります。買い手も修繕がされていると購入意向が高くなり、早くスムーズな売却につながりやすくなります。

相続人間での持ち分譲渡・共有解消

相続人が複数存在する収益物件を共有名義のまま放置してしまうと、将来的な意思決定が極めて困難になります。売却や大規模修繕を検討するたびに共有者全員の同意が求められ、さらに代を重ねて相続が繰り返されることで、権利関係は複雑に細分化していくからです。こうした事態に陥ると、結果として管理も処分もままならない「負の遺産」になりかねません。

このような状況を回避するためには、親の生前の段階から遺言書の作成とセットで検討を重ね、「誰が物件を引き継ぐのか」「引き継がない親族への代償金をどう工面するか」といった道筋を立てておくことが重要です。中でも、持ち分譲渡などを通じて共有状態を解消しておく対策は、将来の紛争を未然に防ぐための有効な手段になります。

あわせて検討したいのが、入居者がいる状態での「オーナーチェンジ売却」です。ただしこの手法は、賃借人が居住しているからこそ成立する売却形態であり、退去が発生してから慌てて動き出しても、希望通りの条件で進められないリスクを伴う点に注意してください。

親が元気なうちから十分な準備期間を確保し、家じまいの選択肢をしっかりと検討・共有しておきましょう。

家じまいに伴う費用と税金

家じまいを行うにあたっては、支払うべき費用や税金についてもあらかじめ考えておくことが大切です。

例えば、物件を解体するには解体のための工事費用が必要ですし、リフォームやリノベーションを行う場合もその分の費用が発生します。

売却を行うと、その売却金額に応じた譲渡所得税が発生します。ただし、相続が開始された日から3年10ヶ月以内に相続財産の売却を行った場合には、相続税額の一部を取得費に加算することによって、譲渡所得税の負担を軽減できる「取得費加算の特例」という制度があります。

さらに、家じまいにあたって不動産会社や司法書士、税理士に相談や対応を依頼した場合には、依頼に必要となる費用が発生します。

専門家への相談の重要性

家じまいにはさまざまな方法があるため、専門家に相談しながら進めていくことが推奨されます。

例えば不動産会社に相談することで、物件の査定を受けるとともに売却戦略に関する提案を受けられます。また、税理士への相談によって、相続税や譲渡税について最適化を図ることもできます。

相続登記が必要であれば司法書士に相談が可能ですし、複数の相続での話し合いが必要なケースでは弁護士に相談することによって相続人間の調整をサポートしてもらえます。

家じまいの全てを自分でこなすには負担が大きくなる点からも、家じまいを行う場合には然るべき専門家に相談することが望ましいといえます。

家じまいを成功させるための心構え

家じまいを進める上で大切なポイントは、「感情と経済合理性」のバランスを保つことです。物件への思い入れが深いほど処分の決断に迷いが生じるかもしれません。ただ家じまいは、決して「思い出を捨てる行為」ではありません。資産に価値があるうちに次へ繋ぎ、親が築いた財産を無駄にしないという親孝行の形でもあります。

感情や忙しさを理由に対策を先延ばしにすれば、選べる出口戦略の選択肢が狭まるだけでなく、税制の優遇措置や有利な売却機会を逃すリスクも高まります。将来を見据えた早めの着手こそが相続人を守る有効な対策であり、ひいては親孝行にもつながるはずです。

まとめ

収益物件の家じまいについて解説してきました。親から受け継いだ収益物件は、資産であるとともに、大きな責任を持つことにもなります。このまま賃貸経営を継続できるのか、それとも家じまいの方向で動くのか、専門家と相談しつつ、自分にとってより良い選択ができるように検討していくことが重要です。

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※参照元:シナジープラス公式サイト(https://synergy-plus.group/information/特許取得のお知らせ-2/)
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